夜風にあたって

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「元カレから連絡来る?」 開けたビールに口をつけながら、ボソッと主任呟いた。 突然の言葉に、私は驚きながらも答える。 「いえ、あれ以来全く来ないですよ」 「そっか」 「本当ですからね?」 「分かったって。疑ってないから」 再会した日以来和也から連絡は全くない。 あの日、和也は何がしたかったんだろう。 単に魔が差しただけだといいけど。 「まだ元カレのこと好き?」 「えっ…?」 「さっき、映画館で、キス拒んだから…まだ、好きなのかなって思って」 主任は何か誤解しているようだった。 私がキスを拒んだのは、主任の女の子慣れしている態度に寂しさを覚えたからで、和也は全く関係ない。
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