夜風にあたって

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好きになってしまえばなってしまうほど、『好き』の気持ちが上手く表現できなくなってしまう。 今まさに主任に対する感情がそれだ。 『好き』だというたった二文字がなかなか口を割って出てこない。 胸の辺りで上がったり下がったりしている。 このままじゃいけないと思っていても、私は感情をちゃんと表現するのが下手くそで、素直になるのが難しい。 和也のことなんてもうどうでもいいって言ってあげることが出来たら、主任も少しは安心してくれるのかな…? さっきみたいな主任の悲しい表情を見ないですむのかな…? 主任のことは好きだ。しかし、和也を全面的に忘れたかと問われれば嘘になってしまう。 この揺れる気持ちが完全に主任に傾いたとき、彼に言ってあげたい。 『好きです』って。
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