夜風にあたって

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「少し傷は癒えた?」 「和也のことですか?」 カクテルを一口飲んでから聞き返す。 「名前を言われるとムカつくな」 はっとして、すぐに謝る。 「すみません…」 「いやいいけど。まだ引きずってるんじゃないの?」 弱弱しい彼の声色に飲もうとしたカクテルの缶を両手でぎゅっと握る。 もう何とも思ってないって言ったのに…。 いつも自信満々で自意識過剰な主任の切なそうな姿に、思わず目が離せなくなった。 私はこんなにも彼を不安にさせてるんだ…。
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