夜風にあたって

7/33
前へ
/33ページ
次へ
しかし、まだ揺れる気持ちがあるのも事実だった。 「もう完璧忘れちゃいました。全然引きずってませんよ」って言うのも嘘になる。けど、「まだ引きずってます」も嘘だ。 この微妙な感情を言葉にするのは難しい。 どうすればこれ以上彼を不安にせずに済むんだろう。 彼が悲しみに溢れた笑顔じゃなくて、優しい笑顔を向けてくれるんだろう。 悩んだ末に、私は答えを口にした。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

601人が本棚に入れています
本棚に追加