夜風にあたって

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しばらく玄関先で抱きしめあった後、主任が言った。 「もう、遅いからそろそろ帰るよ」 「はい。色々ありがとうございました」 「また会社でな」 主任は宣言通り、私の部屋に一歩も足を踏み入れないまま踵を返して帰っていった。 結局、映画館でのことは謝れなかった。 バタンとドアが閉じられると一気に寂しさが込みあげてきた。 その夜はベッドに入って目を瞑っても主任の顔が浮かんできて、なかなか寝付けなかった。
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