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「ねぇ、優。前から気になってた事だけどさ。なんでそんなに透を嫌うの?」
「…別に、嫌いなんだ。」
「まあ、透に限らずだけどさ、男性恐怖症って言われてるじゃん?でも、違うよね」
優と愛蘭は中学で知り合った。
愛蘭は、何故か無性に優が気になったのだ。
「別に、怖いわけじゃないんだ。嫌いなだけ。」
しかし、愛蘭は、優に微妙な壁を感じている。どうすればこの壁をぶち壊せるのか。
「…そう。」
「…」
そう、思っている。
優には何かある。そんな何かを隠している気がする。だだの勘にすぎないのだが。
「あ…優!アイス食べにいこっ」
「え?何だいきなり」
「ほーら!いいから!私先週できたあのお店。行ってみたかったのよ。ちょっと付き合って!」
そう言って、愛蘭は優を引っ張って連れて行く。
「まあ、いいけど…ちょっ!愛蘭!引っ張りすぎだ。自分で歩ける。」
「えー、そう?なら、ほら早く!」
そう言いながら、いつか、きっと近いうちに優とのこの微妙な壁を壊してやるんだ。そう思いながら愛蘭は笑った。
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