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「なら、今度俺がおまえと一緒の遊ぶとき公園かなんかで遊ぼうぜ? 一緒にスポーツとかしてさ。もうどれだけおまえが運動音痴なのか話で聞いたんだし、俺だったら別に気にしなくていいだろ」
「えー、でも絶対に人見、ボクのこと笑うに決まってるよ。それに楽しくないよ? なにをしてもボクはミスばかりするから」
「気にするな。俺は……」
「……俺は?」
「おまえが上手くなるまでコーチしてやるから」
そう言うと、おずおずと指を組んだりしながら「ほんと?」と尋ねてくる。
俺はまっすぐな返事で「おう」と力強く答えてみせた。
本当は「俺は……」の続きには、「雪歩と一緒に居られるだけで楽しいから」と言いかけたが、流石に言葉にする恥ずかしさの方が上回って口を噤んでしまった。
こうして、初めてのお出かけは一緒にお話をすることを中心としたカフェタイムで終了し、次回のお出かけはアクティブに身体を動かそうということで約束をするのであった。
カフェを出て、ふたり並んで駅に方角へ足を戻していく。
大きなデパートのような商店が連なっていた景観は、小さな商店が立ち並ぶ姿へと変わっていく。
その途中、雪歩がある店で目を留めるのを俺は見逃さなかった。
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