約束とお守り

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「綺麗……」 「好きなのか? 天然石」 「えっ? えっと……」  雪歩は恥ずかしそうに頭をかいて苦笑いをする。  なんとなく、雪歩が言いたいことがわかったため、フォローをいれる気持ちで俺は言った。 「別にこういうのが好きなのは変じゃないと思うぞ? 男だって、かっこつけたくてこういうの好きなやついるし」 「えへへ、人見にはわかっちゃうんだ、ボクの気持ち」 「当然」  マジックストーンに興味があるけれど、こんなの男らしくないよね、なんて思っていたのだろう。  男に憧れているなんて言っている割には言葉を詰まらせるその挙動を見て察しはついていた。 「うん、好きだよ、石。いろんな種類があって、それぞれに石言葉なんてものもあって、素敵だなって思う」 「俺はこういうのよくわからないけど、花言葉みたいなものがあるってのくらいは知ってる。お守りとかにもなるんだよな」 「うん。有名なのだと、幸運ならオパール、ここにあるターコイズなんかは厄除けとか健康だとかに効果があるって言われてる」  近くの小皿の中にあった薄い緑色をした石をひとつまみ取り、雪歩は説明をしてくれる。
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