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小皿に仕切り分けられた小さな石粒は何十種類もあり、ひと目でなにがなんの石なのかは素人目にはわからない。
それをホイと手に取って説明できるなんて、この子、相当石には詳しいみたいだ。
「人見の誕生日っていつだっけ?」
「9月23日だけど?」
「9月23日……あ、そういえば人見のメールアドレスに『0923』って数字があったけど、そういうことなんだ」
「よくメールアドレスなんて覚えてるな」
ちょっと自分のメールアドレスのセンスの単純さを知られたようで恥ずかしさを感じる。
「うーんと」と唸りながら雪歩は小皿の中の天然石を指で追っていく。
小皿にはそれぞれ名前が表示されているとはいえ、膨大な種類の中から雪歩は心当たりのものを探そうと試みているようだった。
しばらくして指が止まる。
手に取ったのは『アメトリン』と名前の石だった。
「これが人見の誕生日石だね」
「すげえ、もしかして全部覚えてるのか?」
「まさか、そんなわけないよ! たまたま、人見の誕生日の石を覚えていただけ!」
誕生日石っていうことは、365日全部にそれぞれ合ったパワーストーンがあるということだ。
流石に雪歩でも全部覚えているということではないそうだ。
だが、それなら何故たまたま俺の誕生日石を覚えていたのだろう。
さっきメールアドレスの数字を覚えていたとか言っていたが、もしかして……?
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