約束とお守り

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「“ガーネット”って聞いたことない?」 「RPGゲームのアクセサリーにそういうのがあった気がする」  確かその効果は攻撃力アップだった。 「もしかしてこの石にも、俺になにか強くなれそうな隠された能力があるのか?」 「人見、ここ現実。ゲームの世界じゃない。オーケー?」  現実を見なさいと雪歩から胸元にツッコミをいれられる。  ソフトな刺激が妙に心地いいツッコミであった。 「話を戻すと、ガーネットには友情だとか勝利だとか、ボク達男にはロマン溢れる意味が込められているの! どう、かな?」 「いいんじゃない? この石いくつか買ってペアのお守りでも作るか?」 「ボクと人見だけの?」 「え? うん、オリジナルだったらそうなるな」 「そっか……。えへへ、いいかも」  小さな赤黒の石をいくつか手に取り、雪歩と俺は精算を済ませる。  ふたつの小包に放送された石を、雪歩は店員から受け取った。
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