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……制服のベストをわずかに濡らしてしまう。
そして濡れたのは俺だけではなく、後ろの声の主にも……
「ひゃっ!? 冷たい!」
「うわっ、ごめんっ!」
慌ててホースを地面に置いて、数メートル離れていた蛇口の栓を閉じる。
すぐに声の主、雪歩に駆け寄ると、薄手の青シャツの右肩辺りが水で色濃くなっていた。
俺が手を合唱させて謝ると、雪歩は軽快に笑う。
「あはは! いいよいいよ、これくらい! 夏だし、すぐ乾くから! むしろ気持ちいいくらい」
「そう言ってくれると助かるけど……」
「まあ、こっちも少し驚かせようと思ってホースを持ってる人見に声をかけたわけだし、自業自得、かな?」
えへへと天使のように笑うと、雪歩の手にはコンビニで買ったのであろうアイスコーヒーのプラスチックカップをこちらに渡してくる。
「まあ、お仕事お疲れ様! どうぞ?」
「お、気が利くな!」
「いえいえ」
雪歩からカップを受け取ろうと思った瞬間、俺は濡れたシャツに目を奪われてしまう。
「あれ?」
雪歩に恋しているから、下心もあってその透けた肌を見てみたいと思ったのは確かだが、目が釘付けになったのはそれだけが理由ではない。
……シャツの下は、肩紐が浮き出ていたからだ。
そして、肩紐を辿るとキャミソールと思わしき下着が続いている。
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