3piece 交差する想い

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「……!」 ライトを浴びて浮かびあがった車のフロントガラスには。 私が見たくないものが映っていた。 それは。 助手席に、立花 葵を乗せた。 東条社長の姿……。 私に気付かない二人を乗せたまま、漆黒の車は夜の闇に溶けるように去って行った。 前だったら。 あんなツーショットを見たって、ただの社長と秘書だと思ってた。 でも、今は。 それが、どこか特別な光景に見えてしまう。 まだ仕事があって、二人でどこかに向かってる? それとも……。 仕事は、もう終わっていて、プライベートとして、出かけたの? 社内の噂と、佐倉さんの言葉が脳裏を過る。 改めて、二人並んでるのを見たけど。 やっぱり、すごくお似合い。 誰も、入る隙間なんてないように。 私はうつ向いて、肩に掛かったバッグの中に、ゆっくりと手を入れる。 そして、スマホを取り出した……。
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