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「はぁ……」
スマホを握ったまま、高鳴る胸に、そっと当てる。
(何で、こんなに……)
ドキドキするんだろう。
今まで、恋愛をしてこなかった訳じゃないのに。
どんなに、声を聞いても、足りなくて。
会ったばかりなのに、また、会いたい……。
こんなに、気持ちが掻き乱されるのは、どうして……?
と、不意に、胸に当てていたスマホが、着信音と共に震えた。
「わっ……!」
驚いて、一瞬、スマホを落としそうになり、慌てて握り直す。
画面を確認すると、菜々美からだった。
「も、もしもし?」
電話に出ると、いつも通りの元気な菜々美の声が響く。
「今日は、一緒にランチ行けなくて、ごめんね~」
「ううん。別に大丈夫だよ」
菜々美は私と違い、外回りだから、一緒にお昼を食べれない日もある。
「それよりさ。昨日は、どうだったの……?」
「……えっ?」
菜々美の言葉に、ドキリとする。
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