3piece 交差する想い

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「はぁ……」 スマホを握ったまま、高鳴る胸に、そっと当てる。 (何で、こんなに……) ドキドキするんだろう。 今まで、恋愛をしてこなかった訳じゃないのに。 どんなに、声を聞いても、足りなくて。 会ったばかりなのに、また、会いたい……。 こんなに、気持ちが掻き乱されるのは、どうして……? と、不意に、胸に当てていたスマホが、着信音と共に震えた。 「わっ……!」 驚いて、一瞬、スマホを落としそうになり、慌てて握り直す。 画面を確認すると、菜々美からだった。 「も、もしもし?」 電話に出ると、いつも通りの元気な菜々美の声が響く。 「今日は、一緒にランチ行けなくて、ごめんね~」 「ううん。別に大丈夫だよ」 菜々美は私と違い、外回りだから、一緒にお昼を食べれない日もある。 「それよりさ。昨日は、どうだったの……?」 「……えっ?」 菜々美の言葉に、ドキリとする。
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