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「ど、どうって、家族と過ごし……」
「ウーソ。本当は、東条社長と、一緒だったんじゃないのぉ?」
「……っ!?な、何で、分かっ……!」
焦る私に、菜々美が笑った。
「だって、結衣って、ウソついても、すぐ分かるんだもん」
えぇ~、そうなの!?
かなり、ナチュラルに嘘ついたつもりだったんだけど……!
「で、昨日は、どこに行ったの?お洒落なレストランとか?」
「……最上階の綺麗なバーに、行ってきたよ」
もう、隠す意味がないから、正直に答える。
「ふ~ん……。結衣、飲めないのに、バーなんて連れて行かれたんだ」
「私は弱いからって、ちゃんと度数低めのカクテルを選んでくれたよ」
「そっかぁ。それは良かったね。でも、気をつけてね」
菜々美が、含みのある言い方をする。
「そのうち、気を許した頃、強いカクテルを飲まされて、気づいたら……なんてことに、ならないようにね~」
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