3piece 交差する想い

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(どうして……!?) 私の頭の中は、軽いパニックになっていた。 そもそも、こんな一般のフロアに、社長が来ること自体がない。 なのに、他の社員達がいる前で、堂々と、私の名前を名指しするなんて……。 (社長……何を考えてるの?) 激しく動揺する私とは対照的に、いつもと変わらない冷静な表情で、東条社長は、どんどん私に近づいてくる。 (まさか……この場で、私達のこと、公表しちゃうわけじゃないですよね?) そんなことしたら、確実に、社内が騒然となる。 ただでさえ、あの若さで異例の昇進を重ねて、社長になった人。 噂に、事欠かない彼。 それが、こんな一般の社員とプライベートで会ってるって、知られたら……。 (それでも、いいんですか……?) 彼の靴音が、もう間近まで、近づいてきた。 これから何が起こるのか分からない焦燥感に、視線をフロアの床に落とす。 私の目の前で、彼の足が止まった。
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