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私が顔を上げると、彼の漆黒の瞳と視線が絡まる。
「気を付けるように」
そう言った社長と、わずかな時間見つめあったけど。
すぐに、彼は背を向けて、フロアを出て行った。
社長が出て行くと、静かになっていたフロアが、いつも通りのざわつきに包まれる。
(……仕事しよ)
気持ちを切り替え、社員証を首に掛けようとして、何気なく、佐倉さんの方を見ると……。
(えっ……?)
ちょっと驚いた。
佐倉さんが、すごい目付きで、フロアの入り口を睨んでいる。
(何で……?)
その目は、明らかに怒気を含んでいた。
私は、小首を傾げながら、東条社長に手渡された社員証を首に掛けると、席に座る。
まだ、パソコンを立ち上げてなかったので、立ち上げた。
その間、デスクのファイルを手に取って、確認する。
そうしているうちに、パソコンが起動したので、メールボックスを開いた。
と、メールを確認している最中に、新着のメールが届く。
(何……コレ)
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