元カレ

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良かったんだ。これで良かった。 私が下した決断は間違っていなはずだ。 しばらく感傷に浸ってると、鞄の中にあるスマホが鳴りだした。 私は急に鳴り響くスマホに驚いて、誰からの着信からか確認しないで電話に出てしまった。 「はい…。もしもし」 「お疲れ。俺だけど」 電話の相手は、主任だった。 「あっ…。お疲れ様です…」 「何か元気ない?」 「いえ…」 主任に弱いところを見られてくなくて、精いっぱいの強がりを見せる。 素直に元カレとちゃんと別れましたと言えない。これが私の悪い癖。 相手の反応が怖くて、素直になれない。 主任の声を聞いて安心したのか、さっきからずっとバクバクしていた心臓が落ち着き始めた。 と同時に緊張の糸が切れ、再び涙が溢れだす。
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