626人が本棚に入れています
本棚に追加
良かったんだ。これで良かった。
私が下した決断は間違っていなはずだ。
しばらく感傷に浸ってると、鞄の中にあるスマホが鳴りだした。
私は急に鳴り響くスマホに驚いて、誰からの着信からか確認しないで電話に出てしまった。
「はい…。もしもし」
「お疲れ。俺だけど」
電話の相手は、主任だった。
「あっ…。お疲れ様です…」
「何か元気ない?」
「いえ…」
主任に弱いところを見られてくなくて、精いっぱいの強がりを見せる。
素直に元カレとちゃんと別れましたと言えない。これが私の悪い癖。
相手の反応が怖くて、素直になれない。
主任の声を聞いて安心したのか、さっきからずっとバクバクしていた心臓が落ち着き始めた。
と同時に緊張の糸が切れ、再び涙が溢れだす。
最初のコメントを投稿しよう!