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瞬間、ぐっと手を引かれ私はバランスを崩し主任の膝の上に座る形になる。
「もう、何ですか?」
きっと睨み付けると主任の真っ直ぐな目と視線が重なった。
「二人の時は敬語なしにしない?」
「えっ?」
「あと、主任じゃなくて晃って呼んでくれると嬉しいんだけど」
ニヤリ不敵な笑みを浮かべて主任は言った。
「そんな急に言われても…」
「じゃあ今練習しようよ。言ってみて、晃って」
「……」
主任に至近距離から見つめられ、恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
「今言わないとだめですか…?」
「だめ。敬語も禁止だからね」
主任ががっちり私の手を握ってるから、逃げたくても逃げられない。
仕方ない…。早くしないと会社に遅れてしまう。
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