総務部の元カノ

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しばらくすると、ついに体の水分が底を尽きたのか洪水のように溢れていた涙は止まっていた。 一つ大きく息を吐くと、だいぶ気持ちに余裕が出来て落ち着きを取り戻せた。 今なら言える気がした。 「主任…」 「ん?」 「大好きです…」 「……」 「大好きだから…聞きたくないです…。佐倉さんとの話し…」 「明……」 弱くて情けない私。 こうして、また彼に対して大きな防御線を張ってしまう。 大好きだから受け止めなきゃいけない。 主任程綺麗な顔立ちで長身に細身の抜群のスタイルで、おまけに仕事もできればモテない方がおかしい。 現に私が入社した頃からずっと彼は社内でモテモテだった。 だから、昔付き合っていた彼女の一人や二人いない方が変だ。
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