総務部の元カノ

33/36
前へ
/36ページ
次へ
「立ち直るのに結構時間かかったよ…。まぁ、俺は彼女のこと好きだったし、当然なんだけど…」 「でも…主任さっき佐倉さんと笑って話してましたよね…?」 主任の真剣な表情からして嘘をついてるようには見えない。 でも、正直納得できなかった。何故、そんな酷いことされた人と笑って話せるのか。 「あれは仕事上仕方なくだよ。仕事に私情は挟めないから…。それに、別れるとき仕事の時は普通でいようって話し合ったからね。今は俺も佐倉さんもお互いの連絡先も知らないし、同僚の人から聞いた話によると俺と別れたあと佐倉さんは引っ越したみたいだし、家も知らないよ」 仕事上仕方なく…。同じ会社の人と付き合うとそうなっちゃうのかな、やっぱり。 仕事に私情を挟めないって言った主任の言葉が私にはよく分かる。 自分の事情だけで何人もの人に迷惑が掛かってしまう。それが仕事で社会人だと思う。 学生の頃のバイトと比べ物にならない、様々な責任が社会人になると一人一人に課せられる。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1543人が本棚に入れています
本棚に追加