総務部の元カノ

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「すみませーん。新村君いますか?」 お昼休憩から戻り、パソコンにデータを打ち込んでいると入り口の方から声がした。 咄嗟に振り向くと、そこには封筒を抱えた綺麗な女の人が立っていた。 すらりと伸びた背、パッチリした二重の目、小さな顔。そして黒いタイトスカートのスーツが様になってるとても綺麗な女性だった。 「あの…新村は今外出中ですが何でしょうか?」 見たことのない女性に少し戸惑いながら、先程営業回りへ行ってしまった主任の代わりに私は応対した。 「これ、新村君宛のなんですけど、総務部の書類と混ざっていたので届けに来ました」 「そうなんですか。ありがとうございます」 間近で見ると女性の美しさが益々際立って見えた。 「いえ。では、新村君によろしく伝えてください」 お辞儀をし、立ち去ろうとした女性の背中に私は私は言葉を投げる。 「あの…!お名前伺ってもよろしいですか?」
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