総務部の元カノ

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胸のザワザワが収まらないまま、私は主任の席に佐倉さんから受け取った封筒を置いて、自分のデスクに戻った。 「何の用だったの?さっきの人」 席に戻ると亜紀がそう尋ねてきた。 「主任宛の封筒が総務に紛れてたんだって。それを届けてくれたみたい」 「ふーん。それにしても、綺麗な人だったね」 「うん…」 主任は私よりも三年早くこの会社に入社している。 主任が私の知らない人と知り合いであっても不思議じゃない。 そう自分に言い聞かせてもやっぱり、この日一日胸のザワザワが晴れることはなかった。
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