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「主任…」
「ん…?」
今日は泣いて迷惑かけてばかりだから、振り向いた主任の唇にそっと口づけした。
「大好きです…」
でも、やっぱり恥ずかしくてすぐに顔を逸らした。
すると、主任は俯いた私の顔を片手で上げて、更に深く唇を合わせてきた。
「んっ……」
あの日、私が主任に落ちた夜にされた気が遠くなるようなキス。
そのまま、主任は私をカーペットの下に組み敷いた。
「明…愛してるよ」
最大に甘い言葉を囁いて、彼からキスの嵐が降ってくる。
「主任…」
頬に、耳たぶに、おでこ…。それは徐々に下がりふくらはぎから太ももへ。
くすぐったくて身を捩ると、主任は思いっきり私の腕を引いて上半身を起こした。
私にとっては、まさかの展開で、多分間抜けな顔で主任を見てるに違いない。
これから…って時に、主任はやめてしまった。
そうなるであろうと準備万端の私はどこか手持ち無沙汰の状態になってしまった。
そんな私を一人残し、当の本人は態勢を戻して。
「ごめん…。今日はやめとく…」
なんて、弱気になってる。
くるっと背中を向けた彼の背中がどこか寂しそうで、一人自己完結してる主任にむかっとしてその背中をありったけの力で叩いた。
「痛っ…!」
「主任の意気地なし!!」
「…?」
「勝手に自己完結させないでください…!私の気持ちなんだと思ってるんですか?やめないでくださいよ…!一人、準備万端で恥ずかしいじゃないですか!」
言いたいことだけ言って、プイっと背中を向けた。
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