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「昼の、佐倉さんのこと話させてって今夜約束してたよな?」
ドア一枚隔てていても、主任がイライラしているのが分かる。
誰だって、連絡なしに約束を破られたら今の主任同様苛立ちを隠せないだろう。
でも、今日は…。佐倉さんの鋭い視線やきつい言葉を思い出して、主任と上手く話せなかった。
「いい加減、ドア開けてよ。顔見て話したいんだけど」
「…や」
「はぁ…?」
「いや…」
もう、主任の声を聞くのも嫌だった。
佐倉さんと主任は誰がどう見てもお似合いのカップルだ。私なんかよりも、断然絵になる。
「もう…嫌です…」
胸の痛みは増す一方だ。
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