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「お前らうるさい!さっさと仕事しろ!」
その後亜紀と主任と三人でヤイヤイ言い合いを続けてると、怖い顔をしたつるりん狸に一喝されてしまい、私たちは一斉に口を噤んだ。
もう…!また主任のせいでつるりん狸に怒られてしまったじゃないか!
それから私たちは自分のデスクに向かい、それぞれの仕事に集中した。
黙々と仕事を片付け、やっとお昼休憩の時間。
「どう?昼行けそう?」
仕事がひと段落付いたのか、主任が私のデスクの傍にきた。
「はい、大丈夫です」
私も丁度区切りの良いところだったので、足元に置いてある鞄からお財布を取り出す。
「じゃあ、行くか。俺ら外出るけど、伊藤さんも一緒にどう?」
私のデスクの横でタイミングよく仕事を片付け終えた亜紀に主任が声をかけた。
「私はいいです。二人と一緒に食事したら熱くて熱くて満足に食べれなそうだから」
そう言って亜紀は顔を自分の手で仰ぐ仕草をする。
「ちょっ、亜紀!それってどういう意味?」
「そのまんまの意味。はいはい、バッカプルは早く外に行きな」
「バカップルって…」
いい歳して恥ずかしいんですけど…!!中高生のカップルじゃあるまいし。
「明ちゃん、俺らバカップルだって」
主任は満更でもなさそうに笑ってるし…。
おいおい、否定しようよそこは!
ていうか私はもう二十五歳なわけで、四捨五入すれば三十路なわけで…。
それでバカップルって…!!ダメだ。もっと大人のお付き合いをしないと。
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