今カノVS元カノ

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「まあ、そう言うことで俺らは失礼するよ」 そう言って、主任が歩き出そうとした時だった。 「えっ?ちょっと!新村君たち手繋いでる!?」 はっとして思わず主任の手を振り払った。 迂闊だった。何故佐倉さんを見た時この手を離さなかったんだろう…。 最悪だ。どう言い訳していいか分からない。 「部下と手握って昼食なんて、新村君いやらしい」 「はは…。セクハラで訴えられちゃうかな」 主任が私の顔を覗きこんだ。私はどうしていいか分からず、とりあえず口角を上げた。 「ていうか、明ちゃんと新村君怪しい!絶対デキてるでしょ!」 暑くもないのに汗が噴き出る。この展開はまずい…。 「デキてねーよ」 「えー、本当に?」 イライラした面持ちで言う主任の顔を佐倉さんはじっと見つめる。 「マジだって。ってかもういいだろ?そろそろ飯食いに行きたいんだけど」 「あーあ、つまんない。付き合ってたら面白いのに!」 「つまんないって…お前な」 主任と佐倉さんのやり取りを間近で見てると、二人の間にあった過去を忘れそうになった。 主任も佐倉さんも普通に話してる…。とても複雑な気持ちだ。
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