決着

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じっと見つめていると、主任と視線が絡んだ。 そして、どちらかともなく唇が重なる。 「朝から可愛いね、明」 「そんなことないですよ…」 「こら、敬語禁止」 「あ、そうでした…」 「ほら、また」 「だって、恥ずかしい…」 主任と密着していることが、急に恥ずかしくなって、私は主任の胸に顔を埋めた。 そう言えば、二人でいる時は敬語禁止だった。 すっかり忘れていたけど、なんか恥ずかしい…。 「可愛いな…」 「可愛くない」 「明は可愛いよ」 「はいはい」 主任と話していると、昨日のことが嘘のように思えてきた。 佐倉さんのことなんて、何もなかったかのように感じる。 それ程、今日の主任も相変わらず甘い。
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