ローレライ

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ウリエルのチームの練習もかなり遅れてはいた。 全員がカノウに合わせて、筋力をつけるトレーニングがメインになっていたからだ。 カノウの声量ではオーケストラではかき消されてしまうほど、 細い。 マイクを使う訳にはいか無い。 それから、声が喉から出る。 胸から出したり頭で響かせたりができ無いのだ。 チームメンバーは最近、本当にこちらのカノウ リョウがミカエル候補なのか疑問に思う者も現れ始めた。 あるとき、ウリエルのチームの一人が果樹園でラズベリーをツマミ食いをしていた。 風に運ばれて、ボーイソプラノが聞こえてくる。 隠れながら、見に行くと声の主はロシア人のカノウ リョウだった。
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