ローレライ

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ウリエルは一人でいつも窓の外を見ていた子供だった。 ピアノ教師の母親がまだ5歳になるかならないかのウリエルにスパルタ教育で1日8時間はピアノの前に座らせていたから。 休みの時は、母がピアノの先生と話をしている時くらいだった。 昼間、外を見ると子供達がサッカーをしている。 窓の内側のウリエルに気がつくと手を振ってくれる。 「君も一緒に遊ぼうよ」 ウリエルは何も合図もせず、窓のから離れた。 ピアノを休めば、母から厳しい折檻があるから。 ウリエルはいつまでも、窓の外を眺めていた。 やがて、街は戦火に巻き込まれた。
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