トゥシューズ

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アクシデントととはいえ、男の子の部屋に一人で泊まりに行く事になった。 城にはフィリップがいるし、なぜもっと上手い嘘が言えないか後悔した。 良はオーディションの合間ではあったが、楽しい晩になると思うとワクワクしていた。 実は、ワクワクというよりドギマギしていた。 断られるかと思ったからである。 毎晩の様にトゥシューズを抱きしめて眠っていたが、今夜は隣にフェアリーにそっくりなアントワーヌが眠る。 それが、嬉しかった。 アントワーヌもまた、自分がフェアリーだと気がつかれない様にしなければならない。 靴を受け取ったら、今夜は都合が悪いからと言って帰ればいいと思った。
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