トゥシューズ

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寄宿舎の消灯時間前にアントワーヌは潜入した。 良も心得ていて、コッソリとアントワーヌを入れた。 幸い誰にも見られて無い。 アントワーヌは良の部屋に入った。 良の部屋は几帳面なほど片付けられていて、ベットも清潔だった。 「トゥシューズを見せてもらおう」 「明日の朝、渡すよ」 良はごく普通に言った。 そうだろう、受け取ればすぐに逃げだす。 良にはわかっていた。 「何か飲む?」 ホットココアを出した。 季節は秋。夜風がつめたい。 しばらく、二人はたわいも無い話しをしていた。 アントワーヌは城の事、量は父親と母親が離婚した話しを語りだした。 「狭いけど、僕のベットで眠ろうよ」 「床でいい」 「ダメだよ。アントワーヌ。風邪をひくから」 二人は同じベットに入った。
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