ローレライ

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決闘は学院の敷地内の湖の近くで、行われた。 「3回勝負で2点先に取った者が勝ちだ」 フィリップと良はフェンシングのサーベルを構えた。 そして、試合が始まった。 野次馬の学生達がわあわあと観戦している。 身長はフィリップの方が高いが良は運動神経がよかった。 フェンシングも得意だったので、優先を簡単に取る事が出来た。 アントワーヌは湖の近くの桟橋にもたれて、ぼんやり考え事をしている。湖面に映る自分の顔を見た。 母親にそっくりな、己の顔が映る。 学生の数人がそんなアントワーヌに気がつく。 「アントワーヌが一人だよ。珍しいなあ。いつも取り巻きでいっぱいなのに」 「アントワーヌは人気があるからね。聖ミカエルの生徒の中で一番綺麗な少年だからね」 「でも、水泳がダメらしい」 学生達は、顔を見合わせて、ニヤリと笑った。 試合は良が2点取り勝ちだったが、フィリップが突然、良にタックルをして、地面に突き倒す。 すると、良はフィリップの腹にけりを入れた。 その時、激しい水しぶきがとんだ。 「アントワーヌが落ちた!」 生徒の一人がふざけて、アントワーヌを湖に突き落としたのだ。 フィリップの顔色が変わった。 フィリップは助けに行く事ができ無い。
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