第4章

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半目になってジトッと見る桜子に、慌てたように言葉を重ねる。 「女の子達とはちゃんと別れてきたから!」 女の子……達。 ふむ、なかなかのろくでなしっぷりだ。 桜子は、はいはいと流して紫苑に向き直った。 「紫苑はそれでいいの? せっかくなりたいものになっても、こんな子どもと結婚しないといけないのよ?」 「もちろんです。私の歳で女子高生を奥さんにするなんて、ちょっと申し訳ないようですけどね」 「……紫苑って、いくつ?」 「あれ?言ってませんでしたか?28ですよ」 桜子はまだ16歳。 なかなか…… 「犯罪の臭いプンプンだよねー。 青藍なんて……31だっけ?」 完璧に犯罪だろう。 下手すると青藍の子どもなんて可能性もある年齢差だ。 しばらく黙っていた桜子は、くるっと常葉の方を向いた。 「常葉は?」 「僕?二十歳だよん」 年齢差、4つ。 「よし、常葉がんばって」 「もちろん!」 「えぇっ!?なぜですか!」 軽く言った桜子に、常葉は嬉しそうにジャンプして、紫苑はと言えば気の毒なほど真っ青になってしまった。
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