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「さてと、このサイズだと……きっと離乳食よね」
たぶん。
ご近所で子猫が産まれたときに、これくらいから柔らかくしたペットフードを食べさせていた。
けれど、桜子の部屋にペットフードなんてあるわけがない。
冷蔵庫を開けると、タラの切り身が見えた。
「うーん……茹でてあげればいいかな」
子猫は部屋のなかが気に入ったのか、あちらこちら見て回っている。
柔らかく茹でて、フーフー冷ましながら小さくする。
匂いに釣られたのか、ミャウミャウと足元にまつわりつく子猫が愛らしい。
「子猫ちゃん待ってね、まだ熱いからね」
子猫ちゃんでは少し呼びにくい。
しゃがみこんで耳の裏を掻いてやりながら話しかける。
「お名前何て言うの?」
ミャウミャウ
「うーん、勝手に付けちゃダメかな?
えっと……たま?」
ミャウ!
「珠?」
ミャウミャウ!
「いいお返事だね、じゃあここでは珠って呼ぶね?」
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