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「大丈夫だと思うよー」
微かな希望と、取り上げられるんじゃないかという不安から少し潤んでいた桜子の大きな瞳が、嬉しそうに輝いた。
「ほんとに!?」
思わず大きな声を出してしまった桜子は、あわてて口を塞いだけれど、そこからも微笑みがこぼれているようだった。
「うん、でも猫のトイレとかごはんとか用意しないとねー」
そう言いながら、常葉の指は誰かにメッセージを送っている。
「よかった……一緒にいられるって」
優しく話かけながら、そっとふわふわの背中を撫でる。
そんな桜子を、常葉がいとおしそうに眺めていることには気がつかなかった。
「名前は?クリーム?カフェオレ?」
「……珠」
「たま?」
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