第4章

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あの日の出来事が、追い出す理由になったのだろうか。 きっと、そうなんだ。 部屋に戻ってからも桜子は悶々と後悔の渦のなかにいた。 ミャウ 「あっ、珠にごはんあげないと! ごめんね、すぐあげるからね?」 桜子が寝込んでいた間は、誰かがやってくれていたのだろう。 トイレも清潔に掃除されている。 ……? ちょっときれい過ぎる気もするけど。 バスルームの隅に置かれた猫用トイレは、使われた形跡がない。 誰か掃除してくれたばかりなのだろうか。 桜子がウェットタイプのキャットフードの缶を開けていると、珠は大喜びで床に寝そべってお腹を見せている。 ウニャウニャ言いながらくねくねとダンスするのが面白くて思わず笑い声をあげていた。 「はい、どーぞ」 珠の前にお皿を置くと、嬉しそうにまたミャウミャウ言いながら食べている。 その姿に癒されながらも、桜子はこの先どうしたらいいのだろうと不安になった。 珠と二人きりで放り出されたら、珠のごはんすら買うことが出来ない。 その上、桜子の学歴は中卒になってしまう。 いや……高校中退かな。
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