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…そうです。私と同じ、ただの動体で有りながら。
ユーゼルはレグルス様とバディを組み、同じ空間で研究をしている。
…私にはそれがどうにも許せない…!
自然と両手を握りしめていた。
『だったら排除してしまえば良いのです』
私は再度、目を見開き、本来の作業部屋に戻った。
…排除? でもそれは…。
『なに、簡単な事。邪魔なら全損させる。事故に見せかければ誰も貴方がやったなんて思いません。
あの男さえ居なくなれば、コードナンバーの順から言って次は貴方の番だ。
貴方の大切な主人が心を掛けて下さいますよ?』
私は胸を押さえ、荒い呼吸を繰り返した。
このまま‘内なる声’に耳を傾けていても良いのだろうか、と。
逡巡から頭を悩ませた。
…そんな事、出来ません!
我が主人、レグルス様を困らせる結果となってしまう…!
私はその場にしゃがみ込み、耳を塞いでいた。
『…そうですか』
‘内なる声’はそこで諦めたのかサラっと提案を放棄した。
『貴方の心がそれで耐えられるのなら、私は構いません。貴方は貴方の思う通りに行動すれば良い…』
そこでプツリと回線が切られた様な、そんな曖昧な感覚が走った。
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