Another side ③ 内なる人格

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「…プログラムの異変か何かだろう。ロードのせいじゃない。気にするな」 そう言って、フッと微笑を浮かべ去って行かれる。 …心が軽くなる。あの方の微笑み一つで。 自然とそう思っていた。 再び室内で一人になると、私は腰を下ろし溜め息をついた。 『今の爆発に余程驚いたようですね』 「…ッ!!?」 私は息を潜め、瞬きを繰り返していた。 『アレは貴方がやったのですよ? 貴方自身の黒い感情が』 …どういう、意味ですか? ‘内なる声’に責められ、急に後ろ暗い気持ちに襲われる。 『元より、貴方には物を破壊する力が備わっているのです。 貴方の邪心が大きくなるにつれ、その力も強靭(きょうじん)になる』 …破壊の、能力? 『そう。その力を持ってして、貴方は貴方の欲望を解き放てば良いのです。 邪心からの爆破一つで、あの憎き男は滅する。 そして…貴方の主人(あるじ)は貴方に目を掛ける』 私は僅かに口元を緩めた。 …けれど。そう上手く行くとは思えません。 『大丈夫。貴方のお立場が悪くならない様、筋書きは私が考えます。 貴方の主人(あるじ)、レグルス・リオル様を手に入れるのです』 甘い誘惑とも取れる言葉。 私は‘内なる声’にまんまと乗せらせ、その後行動を起こすのだった。
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