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私は何て愚かだったのだろう。
…ああ。レグルス様!
本当に本当に申し訳ございません。我が主人はきっと私を責める事でしょう。
けどそれでも構いません。私は主人にお会いしてきちんと詫びたい…!
「最初にも申し上げましたが、貴方が気に病む必要は有りません。
最早‘声だけの存在’で落ち込むなんて、ちゃんちゃら可笑しい!」
….声だけの、存在?
私は呟いた。
そう言えばいつの間にか、‘内なる声’が外から私の声を発しているでは無いか。
「最後に貴方の主人に直接会わせてあげられないのが、心残りですが。
もう良いのですよ? 貴方はこのまま消えてしまいなさい」
…消える、私が…。
「ウイルスを増殖させたこの体に、最早貴方の居場所は有りません。滅せよ、ロード・レアモン!」
ーーー……ッ!!?
瞬間、ゴゥッと突風が吹いた様に私の意識は闇に飲まれた。
意識が消滅する間際、思い出すのはブロンドに白衣姿の我が主人。
あの方の微笑と共に闇の中へと消えていく。
ああ…レグルス・リオル様。
私が愚かなばかりに、申し訳ございません。
本当に本当に御免なさい。
叶うならもう一度主人にお会いしたかった…。
レグルス…さ..ま…。
ーーーーーーーーーー…………。
そうして私という存在は無に帰した。
意識が消える間際、‘内なる声’が邪悪な嗤い声を上げていた。
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