Another side ③ 内なる人格

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私は何て愚かだったのだろう。 …ああ。レグルス様! 本当に本当に申し訳ございません。我が主人(あるじ)はきっと私を責める事でしょう。 けどそれでも構いません。私は主人(あるじ)にお会いしてきちんと詫びたい…! 「最初にも申し上げましたが、貴方が気に病む必要は有りません。 最早‘声だけの存在’で落ち込むなんて、ちゃんちゃら可笑しい!」 ….声だけの、存在? 私は呟いた。 そう言えばいつの間にか、‘内なる声’が外から私の声を発しているでは無いか。 「最後に貴方の主人(あるじ)に直接会わせてあげられないのが、心残りですが。 もう良いのですよ? 貴方はこのまま消えてしまいなさい」 …消える、私が…。 「ウイルスを増殖させたこの体に、最早貴方の居場所は有りません。滅せよ、ロード・レアモン!」 ーーー……ッ!!? 瞬間、ゴゥッと突風が吹いた様に私の意識は闇に飲まれた。 意識が消滅する間際、思い出すのはブロンドに白衣姿の我が主人(あるじ)。 あの方の微笑と共に闇の中へと消えていく。 ああ…レグルス・リオル様。 私が愚かなばかりに、申し訳ございません。 本当に本当に御免なさい。 叶うならもう一度主人(あるじ)にお会いしたかった…。 レグルス…さ..ま…。 ーーーーーーーーーー…………。 そうして私という存在は無に帰した。 意識が消える間際、‘内なる声’が邪悪な(わら)い声を上げていた。
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