SCN-008 ユーゼル・アスワン

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それから、P-003にその体を乗っ取られたロード・レアモンだが。 本部のラボを借り、俺が頭脳カプセルを造り、Jr.が彼の人形(うつわ)を造り、複製(レプリカ)のレグルスが起動スイッチを入れた。 ロードは彼本来が持ち得る真面目さで、複製(レプリカ)のレグルスを慕い、国の為に尽くしてくれるだろう。 ラボを立ち去る間際、俺はロードに一瞥をくれた。 彼の起動が正常に行われるかどうかを確認し、安堵していた。 もう、ロードが以前の様に苦しむ事も無い。 口角を上げ、ニヤリと笑うとそのまま背を向け立ち去った。 彼ら研究員の墓石を見つめ、俺は郷愁の念に駆られていた。 彼らとも色々有ったな、とつい感慨深く思ってしまう。 P-003の行いで、俺のESPがバレてからは数々の裏切りを思い知らされたが。 それまではチームとしてうまくやれていた。 親友のユーゼルや上司のエリサ女史の計らいが大きかったとも言える。 彼ら二人の墓を見つめ、ありがとう、と呟いた。 丁度その時だ。 「…ユーゼルさんっ!」 背後から別名で呼ばれた。墓石の下で眠る彼の名に違いないが、俺が未だに使っている識別チップの登録名だ。 …スピカ。また来たのか。
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