SCN-008 ユーゼル・アスワン

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俺は彼女を見つめ、ため息をついた。 「あの緑の坊主を迎えに行くんだろう? 良いのか? こんな所で油売ってて」 言いながら彼らの墓に背を向け、踵を返した。 「…む。迎えに行きますよぉ。後で」 声色からスピカがむくれていると感じた。 また後ろから付いて来る。 「どうしても、ユーゼルさんの顔が見たくなって来たんです」 俺は頭を掻き、また嘆息した。後ろの彼女に向き直る。 「…あのな、スピカ。もうE.Sのパートナーは解消したんだから、無理して俺に構う必要も無いんだぞ?」 スピカの今後を心配して言ったつもりだが。 何と無く、マズいと感じた。 スピカは眉を下げ、潤んだ瞳で俺を見ていた。 「…無理じゃ、ありません」 …ああ、やっぱり。 案の定、泣かせてしまった。 困ったな、とまた頭を掻く。 「…ああ、いや。そうじゃ無いんだ」 どう言って宥めたら良いか分からず、正直に話す事にした。 「スピカが心配なんだよ。あんまり俺に関わら無い方が良い」 「…どうして…ですか?」 スピカはこてんと首を傾げた。お決まりの仕草だ。 「俺はキミたちアンドロイドと違って、歳をとるし、長くは生きられない。 変な力を持って生まれた俺は特に。正直いつ死ぬか分からない」 「…え、」
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