48人が本棚に入れています
本棚に追加
/527ページ
「行くって何処へ向かうんですか?」
「C-oneラボ。あの緑の坊主を迎えに行くんだろ?」
「ガイアですよ、ユーゼルさん」
「…あの不良品」
「あははっ」
その時。不意にスピカの笑みが固まった。
スピカが何かの音に反応し、顔を上げる。
無言で遠くの空を見つめる彼女を訝しみ、俺は眉をひそめた。
程なくして、俺の視界に、飛来する一機の船が現れた。
ゴゴゴ、と微かなエンジン音を鳴らし、R・スピリット本部に向かい飛んで居た。
灰色をした飛行船の胴体には“M”と書かれてある。
俺はその文字を見つめ、ニヤリと笑った。
「…ユーゼルさん…」
スピカが不安げに声を上げた。
俺がその飛行船目掛けて両手を翳したのは、言うまでも無い。
* * * END * * *
最初のコメントを投稿しよう!