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序章 Prologue
エゾン・スイーパー
そのパートナーを組んだあの日から、彼は‘こうなる未来’を選んでいたのかもしれない。
「君にこれを託すから…もしもの時は…頼むな?」
長さ3センチ程のカプセルを取り出し、彼は言った。
「もしもの時ってそんな、…だからそれなら僕も一緒に」
「駄目だ」
申し出を一蹴され、彼は顔を歪めた。
「君にはやるべき事がある。そうだろう?」
「…やるべき、事?」
「そうだ。君はここに残って…この国を守るんだ。これからも」
「…」
「頼んだぞ、ユーゼル」
「…分かった」
渋々といった様子だが、彼は小さく頷いた。
――‘彼’との出会いは、今から18日と3時間前へと遡る。
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