38人が本棚に入れています
本棚に追加
―――
「美味しかったです、ご馳走様」
「おう!また来なよ」
すっかり顔馴染みになった亭主と言葉を交わしあい、引き戸を開けて暖簾を潜る。
「げっ……また、雪降ってるよ」
店の外で僕たちを迎えたのは、次から次へとひっきりなしに降って来る大ぶりの雪だった。
「これ…絶対に朝までに積もるな……」
僕は忌々しげに足元を見て吐き捨てた。
明日の朝一の雪掻きが憂鬱で仕方がない。
どうせ車は雪に埋まっているから、まだ外が暗いうちから発掘作業をしなければならない。
最初のコメントを投稿しよう!