雪幻

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「うん、積もりそう! 楽しみだね」 陽子は僕とは正反対に、空を見上げて手の平で雪を受け止め、嬉しそうに笑う。 「楽しみって…… 今年ここに来た陽子には分からないだろうけど…… そんな事を言う奴はここには誰もいないし、そんな言葉を聞いたらみんな怒るよ」 「そうなの?雪だるまとか作れるから楽しいのにね」 陽子は不思議そうに言い、 「えいっ」 積もった雪を丸めて僕に投げつけてきた。 「痛っ!この酔っ払いがっ」 「アハハッ」
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