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「・・・っはあああぁ!?」
「・・・静かにせい真琴、司令室の中で喧しい。」
「はっ、すいません大佐。しかし局長、今のはどういうことです?」
真琴はびっくりして、大声を上げてしまった。
リコが誘拐されたと云うことに驚いたのではない。
もちろん、それも十分驚くべきことなのだが、それをまるで《こないだのテスト、まぐれで100点とっちゃった~♪》とでも言うかのような口調で言った局長に、真琴は驚いたのだった。
真琴たちの周りのユル~イ空気とはまるで無関係のように、
司令室は緊迫した空気に包まれていた。
そんな空気が部屋に満ちているせいか、さっきまで呑気な顔をしていた局長の顔にも緊張が見える。
「今言ったとおりだ、真琴。224エリア・ドームの研究所エリアにバイオ・コマンドのDNAデータのコピー・ディスクを探しに行くって任務で地球に来たらしいんだけどね、不思議な事にそこで通信が途絶えちゃったらしい。
御丁寧に、服の襟に仕込んでおいた生体追跡用のマイクロチップも外してあったそうだ」
「なんですと?
でも局長、プレアデスとごちゃごちゃしてるのは地球の方ですし、我々がその仕事を引き受けるのは、おかしいんじゃないですか?
224エリアはプレアデスの方がが治めてるとこですし、研究所も、多分プレアデスの施設でしょうし」
真琴が少しやる気なさげにそう言うと、ロイドがぶっきらぼうに言う。
「〈引き受けなかったらぶっ殺す〉――先方の要求だ」
「・・・はあ?」
〈どォゆうこっちゃ??〉ロイドの言葉に、真琴の頭の上を?マークが飛び交う。
「ロイド君、手短にし過ぎ。まあ簡単に言うとそうなんだけどね。
要はリコ君を我々に見付けさせて、見付けらんなかったらまあその時は、て事じゃないかな」
「なるほど~。って、ええっ!?」
「今頃気付くか、バカ者!」
「な~んだと~う。」
何か言われた時、何時も気付くのが遅いのは自分でも自覚している。
しかし、人に言われると腹が立つ、と云うのはどうやら本当らしい。
とはいっても相手は上官なので、面と向かって大喧嘩、と云う訳にはいかない。
・・・しかし、そんな言い方せんでも・・・・・・。
ロイドと真琴が険悪なムードになり掛けた時、局長が静かな口調で諭すように言った。
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