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「なん・・・だと・・・?」
その言葉を聞いて、ロイドは動けなくなった。
彼が愕然としているのを知ってか知らずか、局長はやや愉快そうに続ける。
「私が君にこれから言うことは、いつもと同じだロイド君。
くれぐれも内密に、派手にやらかせ。」
「・・・っ・・・。」
それを聞いたロイドの顔が不愉快そうに歪む。
二人の間に冷たく乾いた空気が流れ、部屋は再び硬質の静寂に包まれる。
「・・・・・あの~・・・・・。
・・・どーいうことです・・・・・?」
再び静寂に耐えきれなくなった真琴が遠慮がちに局長に訊ねた。
局長は真琴の方を見て微笑む。
「あぁ、君はここに入ってまだ一ヶ月だったね。いきなりこんなことになってさぞ驚いてるだろう。
しかし、驚いている暇などない。
真琴君も解るだろう」
「はい」
「そこで、私的にあるプロフェッショナルを雇った」
「・・・はい?」
今度は二人とも驚いた。
そんな話は聞いてない。そもそもどんな奴を呼んだんだ。
二人の顔が驚きで強張っているのを知っているのか知らないでいるのか、局長はまた楽しそうに言った。
「腕なら心配しなくていい。彼は常に一撃で殺せる。そして常に、殺したと云う後すら残さない。
腕も良いし頭も良い。本当に良くやる奴だが、一つだけ欠点のようなものがあってな」
「はい」
真琴は真剣な面持ちで次の言葉を待つ。ロイドは不機嫌そうな顔のまま黙り込んでいた。
その様子を見ていた局長は、にっこりと笑って行った。
「だが、それは私の口からは言いにくい。友人のことを悪く言うのは私の主義じゃないし、あの欠点はどうも説明しづらい。
そこで真琴君、君は彼に直接会って、どの辺が欠点か確かめてくると良い。ロイド君は、真琴君と一緒に行って、真琴君をサポートしてやれ。
彼は既にプレアデスの人等が指定してきた惑星に向かっているそうだから、君達もすぐに準備して出発しなさい。
なに、直接会えばそのうち分かる」
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