♯01

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 「けれど、君が思ってるように、今回の件を快く思わない連中が彼らに何かしでかした場合。例えば、少々古い手だが、爆弾など仕掛けたとする。  〈彼〉の方は助かる可能性もあるだろうが、真琴君の方は生身の人間だ。ひょっとしたら、助からないなんて事もあるかもしれん。〈彼〉は彼で真琴君を助けに行って、そのまま二人とも行方不明になった時は―――――」  「その時は、どうするんだ?」ロイドが問うと、局長はロイドの方に向き直った。三次元レーダーの光が反射して、眼鏡が青白く光る。  「その時は、僕は動くのヤだから、君がどうにかしなさい。まあ本当にヤバくなったら僕が動くから」  やる気ゼロの口調で、呑気に言ってのけた。  ほほう、随分簡単に言ってくれるじゃねえか。この局長は、今回は本当に絶対動きたくないらしい。  局長とロイドの間には、またも謎の冷たい空気が流れたのだった。  
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