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「・・・少し減らせよ」
ロイドは真琴が持ってきた荷物を見て、やや嫌そうに呟いた。
「全部必要な物ですよ。怪我した時の救急箱と道中で食べる用のお菓子、崖登る用のロープに非常食の缶詰と缶切、暇潰し用のパズル・ゲーム。それから、なんか豪い目に遭った時に使う散弾銃と爆弾各種、護身用のパラライザーガン」
真琴は階段を昇りながら、前を行くロイドに荷物の説明をする。ロイドはまた嫌ソ―なオーラを隠さず、
「そんな〈時〉は絶対来ない」
全く感情のこもっていない声で言った。
真琴はそれで少し怒ったようで、
「それはヤですよ!来なきゃ使う時来ないじゃないですか!」
と何か怖い顔して言うもんで、ロイドは少々うんざりしたように、
「はいはい。」と適当な答えを返した。勿論適当な答えで引いてくれる真琴ではない。
「〈はい〉は一回!」
そっちかよ。ロイドは今度は答えてやらなかった。真琴もそれきりで押し黙り、二人は無言のまま階段を昇って行く。
階段を登りきると扉があった。うぃん、と云う音と共に扉は開き、二人が扉の向こうに行くとまたうぃん、と音がして背後で閉まった。
扉をくぐると、そこは水色の空間だった。
鮮やかな水色の空間の中に、異質な者が1人いた。
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