♯01

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 〈きゃーきゃーまこちゃん、いつ火星に戻ってきたのぉー?〉  「昨日だよ、相変わらず賑やかだなあ」  相変わらず騒がしいコンピューターだなぁ、と思ったが、それを言って彼女にへそを曲げられると、コロニ―中の全電気系統が停止してしまうとまた厄介な事になるので、それは言わないでおいた。  〈それで、今から局長に報告?〉  「うん。だからこのエレベーター、司令室にお願い。」  〈りょ―か―い〉  コンピュ―タ―は楽しそうにそう言った。  それと同時にエレベーターはがくんと停まり、今度は横に移動し始めた。  それから暫く右に行ったり左に行ったりしていたが、やがて行く先を定めたように、まっすぐ上に向かい始めた。  それから暫くエレベーターはスイスイ上に昇っていたが、ある所でまたがくんと停まったため、真琴はよろけそうになった。  〈司令室のまん前―。〉  コンピューターが間延びした声で言い、ピン、と音がしてドアが開いた。  (おおっ、もう着いたのか。こういうとこは迅速なのも相変わらずだ。)  真琴は少々、この口数の多いコンピューターを見なおした。  〈行ってらっさい。大佐と中尉、局長にもよろしくね。  行ってらっさい、行ってらっさい、行ってらっさい…。〉  そう言って、コンピュータはしん、と黙った。  (・・・しかしやっぱり、この口数の多いのは、何とかならんかな~。)  そんなことを考えながら、真琴はエレベーターの狭い部屋から出た。  暗い廊下を横切るように歩くと、後ろで音もなくエレベーターの扉が閉まった。
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