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エレベーターから降り、天井のライトでイエロー・グリーンカラーに染まる暗い廊下を横切り、向かい側のドアの前に立った。
濃い藍色をしていて、『司令室』と書かれたブリリアン・グリーンのプレートが掛けられたそのドアの前で、真琴がドアの横の小型モニターに軽く触れると、ピィインと音がしてモニターが起動し、モニターにこんな文字が現れた。
〈隊員番号とユーザー名を、入力してください〉
「NR-33641847-130の廣瀬真琴、さっきも言った。」
もううんざり、と云うような顔で、真琴は言った。
<オールOK,認証照合オールクリアしました>
几帳面な声でそう言って、モニターは消えた。
それと同時に、音もなく藍色の扉が開いた。
「やあ真琴君、待っていたよ。」
中にいた局長がそう言って呑気に笑った。
「やー、遅れましたー。」
真琴はそう言って司令室に入った。
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